Everything's Gone Green

感想などです

女の子のプラモ

 女の子のプラモデル、というものが世の中では売っている。なんやそれ、という感じだけど、売っているのだから仕方がない。それも、昨今バカ売れしている。

 

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 言ってしまえば、上のリンクのようなやつである。アクションフィギュアではない。プラモデルである。島田フミカネの、フミカネ絵の女の子が、バラバラに分解されて、型を取られて、複製されて、箱に詰められて、数千円で取引されている。

 

 それは犯罪なんじゃないのか。

 

 そういうものを作ってみたという話です。

 

 今回作ったのは、このキットだ。

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 普通にヨドバシで買って帰ってきたんだけど、箱を開けてみるとガサッとランナーが入っていて、一見普通のプラモデルである。しかし、よく見ると女の子の体が文字通りバラバラになっており、髪の毛とかも毛先がハネている部分とかは別部品になっている。毛先がバラバラなのだ。なるほどプラモデルで毛先を作ろうとするとこうなるのか、と感心する。

 

 で、とりあえずパチパチ組み始めるんだけど、一番気になった頭の部分から組んでいくと、これがなんというか、よくできている。可愛いのである。ついさっきまでバラバラの部品だったのに、ちょびっと部品を組み合わせると、そこには島田フミカネの、あの微妙にボーッとしてどこに焦点があっているのかよくわからない目つきの女の子の首ができている。

 

 なんだこれは、と思いましたね。

 

 続いてその首の下の胴体を作ったのだけれど、ここでびっくりしたのが、とにかく部品が小さいということだった。普段おれはよくアメリカ製のアクションフィギュアで遊ぶのだけど、ほぼ同スケールの6インチフィギュアに比べて、このキットの胴体なんか1/5くらいの大きさしかない。肩が薄い。胴体の部品なんか1/48のジープのボンネットくらいの大きさしかない。そうか、フミカネ絵の女の子は1/12にするとこんなに小さいのか……。よくわからない納得が心の底から湧き上がってくる。

 

 この女の子のプラモデルは関節が動くようになっている。だから当然膝や肘の部分はひねったり曲がったりするようになっているし、その部分は部品が分割されている。分割されているということは自分で組み立てなくてはならないということであり、組み立てなくてはならないということは組み立てなくてもいいということだ。

 

 頭を作って小さな部品を使って胴体を作って、手足の付け根の部分になるパーツを胴体に取り付けたところで、はは〜ん、と思いましたね。これ、ロボットとかだったら単に組み立て中で済む話なんだけど、今回は女の子である。単に組み立て中では済まない。プラモなのにおれが知ってるプラモじゃない。人体の迫力。途中なのに「なんかもうこれでいいか」という興奮がある。

 

 

 

 あまりにも「作りかけの女の子プラモ」の迫力がすごかったので、こういう感じで、四肢切断された状態のものを作ることになってしまった。ガワのメカ部分はいつもやっている工作だからものすごく新鮮とかそういうことはないんだけど、とにかく女の子の部分は試行錯誤の連続である。特にグッときたのはデカールを貼っているときだった。

 

 

 

 コーションマークのデカールを皮膚に貼った瞬間、人間というより、なにか物っぽい質感が一気に立ち現れてめちゃくちゃグッときた。顔面に刺青をした縄文人もこんな心境だったのかもしれない。知らんけど。

 

 というような色々があって完成した。

 

【立体】「BUG [U.S. Marines s/n 0-17411]」イラスト/gerusea [pixiv]

 

 やってて一番楽しかったのは、人体の表面にデカールを貼る工程だった。あまりにも未知のジャンルの模型だったので反省点も多いけど、女の子の模型、もうちょっとやってみたいっす。