Everything's Gone Green

感想などです

彩の国ビジュアルプラザはアラサーの映画おたくの楽園だった

 埼玉県は西川口にある彩の国ビジュアルプラザ(以下ビジュアルプラザ)で開催されている「あそぶ! ゲーム展 ステージ1」。この展示も想像以上によかったんだけど、ビジュアルプラザ自体が非常に面白い施設だったので適当にまとめておきたい。昨日行ってきたとこで記憶もフレッシュですし……。写真が多いので適当に読み飛ばしてほしい。ちなみに写真は全部iPhoneで撮ったのでガタガタである。

 

 ビジュアルプラザ、最寄り駅は西川口駅である。

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 公式WEBサイトに掲載されている地図だとこんな感じなので駅からそれほど離れていないように見えるがさにあらず。これがけっこう距離がある。車で10分くらいかかりそうな雰囲気。だがおれは車なんか持っていないので雨の中を淡々と歩いたのだった。

 

 

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 道中に貼ってあった標語。うむ。

 

 

 

 

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 30分ほどダラダラ歩いてようやく到着したビジュアルプラザ。思っていたより建物がでかくてビックリする。展示への入場料は大人510円。最初に買うチケット1枚で特別展示も常設展示も見られる。映像制作に関する展示/資料館兼、使用料を払うと使える撮影/編集設備が組み合わさった建物で、常設展示も映画に関するフロアとテレビに関するフロアに分かれている。ここで「あそぶ! ゲーム展」もやっているわけだ。

 

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 チケットを買って展示室に入るとスクリーンが張ってあってその脇に映画用の道具などが置いてあり、そこで平成ガメラ撮影当時の金子監督(若い)とかが映像制作の面白さとかを語る映像が流しっぱなしになっているのだが、その脇置いてある大道具とかがこれ。なんのメッセージなんだ……。

 

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 映画に関する展示フロアでは昔の撮影用器材とかが置いてあり、映画撮影技術の発達史、そして企画を立てて脚本やストーリーボードを用意して撮影して編集して……という映画製作のプロセスをわかりやすく学べる。基本的に子供向けなので誰が見てもわかるように解説されており、普通の映画オタクのおっさんが見ても「へ〜」となるような展示が多かった。が、まあ、それはいい。この施設のすごいところはそこではないのだ。

 

 

 

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 映画を撮る前には設定考えたり脚本書いたりストーリーボードを作ります、というのを解説するために置いてあるのが1992年版『ゴジラVSモスラ』の脚本と設定書。いきなり現物である。マジかよ。これ、おれが幼稚園の年長の時の映画である。いや〜、見た見た! バトラとかテレマガやらで何度も見たわ! 映画には連れてってもらえなかったけど! おれは怪獣映画ではガメラ派なのだが、余りにも世代的にドンピシャのタイトルがいきなりエントリーしてきたので思わず声が出てしまった。

 

 

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 その『ゴジラVSモスラ』の対面にいきなり貼ってあるのが『トラトラトラ!』の絵コンテ。オタク大喜びである。

 

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『トラトラトラ!』に関しては途中で降板した黒澤明が描いた自筆の絵コンテも展示されている。さすが黒澤明、おっさんの顔の絵がうまい。それにしても「TOKYO PRINCE HOTEL」とある便せんっぽい紙に描かれているのが生々しい。ホテルに缶詰で描いたのだろうか……。

 

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 映画には小道具も必要ですよ〜というのを解説しているコーナー。これ、よく見ると……

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 ジュマンジじゃねーか! 埼玉に流れ着いてたのかよ!! あまりにもビックリしたのでこの画像だけはツイッターにアップしてしまった。

 

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メン・イン・ブラック』でJとかKとかが使ってた銃。なんで現物がこんなところにあるんだろう……。ちゃんとJが使ってた「めっちゃちっちゃいけどクソ威力があった銃」が置いてあるのが泣ける。

 

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対面の展示が映り込んじゃっててなにがなんだかわからないが、これは『メン・イン・ブラック』でJとKが着ていたスーツ。本当になんで埼玉にあるんだ……

 

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ゴジラアニマトロニクス部分。これがスーツアクターの頭の上に乗っかってるそう。おれはゴジラおたくではないのでこれが何代めのゴジラの頭の中身なのかわからない……。あとアゴからなんか赤い汁が出ちゃってるのが怖い。

 

 

 

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 そしておれが最も度肝を抜かれたのがVFXの解説コーナー。いわゆるモーションコントロールカメラを使った特撮のやり方とかを解説しているんだけど……。

 

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 いきなりドーーーン!と立っているのが超名作『スターシップトゥルーパーズ』の機動歩兵の装備一式を展示したマネキン! なんで!? お前モーションコントロールカメラとか関係ないじゃん! 嬉しいけども! あとなんか手に持ってるモリタライフルがぐにゃぐにゃしてるけど大丈夫!? ちなみに右下に映り込んじゃってるのはこのマネキンの手前に置いてあるベンチみたいなとこに座っているおじさんの右肩です。このおじさん、なかなかどいてくれなかったんだよね……。

 

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 展示物に触ると怒られるけど、触らなければ寄り放題の写真撮り放題(ビジュアルプラザは個人で使用するなら展示物の写真を好きに撮っていいとのこと。太っ腹である)。なんたって周りは親子連ればっかりで、機動歩兵なんか誰も興味がないので延々粘っても全然平気。装備品は細部の作りがなんだかペナペナしてチープで、逆にそれが「これ本物のプロップなんだろうな……」という感じだ。モリタライフルがぐにゃぐにゃなのも、デフォルトでそうだったのだろう、きっと。

 

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 そしてその横にはモーションコントロールカメラで撮影するのに使ったという宇宙戦艦ヤマモト号の巨大なプロップが! これほんとでかくて、全長は3m近いサイズ。何度も言うけどなんでこんなもんが埼玉にあるんだよ……。

 

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 展示物の脇にちっちゃいパネルを置いてわざわざ「これは"あの"ロジャーヤングの姉妹艦だぞ!」と教えてくれるあたりが完全におたくの仕事。ロジャーヤングとかいきなり言われてなんのことかわかる人はまあ大体おたくである。アンタも好きねえという感じ。

 

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 もちろんヤマモト号も写真撮り放題。ありがてぇ……。間近で見ると本当に塗りとかディテールの作り込みが雑でマジメに模型作るのがアホくさくなる。

 

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 脇のテレビとかでこのプロップをどう使って実際の映像を作っているのかを解説しているんだけど、これが完全にただの『スターシップトゥルーパーズ』のメイキング。オタク大喜びである。というか小学生以下のキッズたちもわんさか来てる施設なんだけど『スターシップトゥルーパーズ』なんかをネタにして川口市にクレームとか来てないんだろうか。なんだか勝手に心配になってしまう。頑張ってほしい。

 

 というわけで余りにも意外な展示物が多すぎて目当ての「あそぶ! ゲーム展」にたどり着くまでに記事が長くなりすぎたので、エントリを分けることにする。とにかく今アラサーの映画おたくなら行って損はない施設。駅からはちょっと距離があるが、はるばる歩くだけの価値はある。しかしこれだけの資料、本当にどこから集めてきたのだろうか……。ものすごく気になっている。