Everything's Gone Green

感想などです

大抵の男はナンパのことを詳しく知らないのではないかと思った

 タイトルの通りの記事です。

 

 どうもナンパの話をインターネットですると荒れるようだ。それもほぼ100%の確立で荒れる。先日からも下記の記事を震源にして、なんだか皆ナンパの話で殺気立っている。

 

ao8l22.hatenablog.com

 

 おれもここ数日ずっと頭の片隅でナンパのことがモヤモヤしている。

 

 女性が「ナンパされたのでウザかった」という話をすると必ず「自慢かよ」とか「ナンパされる方にも隙があるんじゃないの?」とか「対策を講じろよ」などと言われるけれど、この反応が本当に正しいかというとそうではないのではなかろうか。いや、だって普通にそのへん歩いてたら自分より腕力があって下心むきだしな奴がいきなり声をかけてくるって恐怖以外の何者でもないでしょ……そりゃ迷惑だよ……というところまで考えてハタと気がついた。おれはナンパ行為のディテールを何も知らないのである。

 

 おれはナンパ師ではないのでナンパをしたことがない。さらに女性ではないのでナンパをされたこともない。考えてみればどうやって声をかけ、どのようにして次の段階につなげていくかというノウハウや流れについて何も知らないのである。まさか今時「ヘ〜イ、カノジョ〜、お茶しな〜い??」などという昭和のギャグ漫画のような声のかけ方はしないだろう。じゃあどうやって声をかけているのか? 皆目見当が付かない。

 「もし自分がナンパされたら」というのを想像してみる。自分がもしそれなりに魅力的な女の子だったとして、毎回外を歩く旅に知らない男に声をかけられ、飲みに行くなりなんなりに誘われたとしたらそりゃあ面倒だろうなあと思う。しかし、どこで声をかけられやすいのか、何時頃に声をかけられやすいのか、周りに人がいるのかいないのか、どのように声をかけられるのか、相手の年齢/服装/髪型/靴/持ち物はどのようなものか、といったようなディテールがまったく浮かんでこない。経験がないから当たり前ではあるのだけど。つまりおれが可憐な女子だった場合、ナンパに対する対策の講じようがないのである。由々しき事態だ。

 

 おれが今まで経験したことの中で一番ナンパに近いものは、夜に歌舞伎町や上野の繁華街を歩いていたときに大量に寄ってきたキャバクラや風俗のキャッチとかだろうか。だけど、あれだって客の立場にいるのはおれであり、ゆえに路上ではおれのほうが立場が強い(一旦店に引きずり込まれてしまえば怖いお兄さんが出てくるのかもしれないけど)。完全な「女性がナンパ師に声をかけられる状況」のシミュレーションにはならないだろう。ナンパに興味がない男がナンパとはいかなる状況であるのかを追体験するのは予想以上に難しいのである。

 

 ここからは憶測なのでそのつもりで読んで欲しいんだけど、このナンパに対する知識のなさはネット上でのナンパを巡る言説にけっこう重大な影響を及ぼしているのではないだろうか。女性はある程度被ナンパの経験があるので知っていることも多いけど、大抵の男性はナンパ師でもない限りナンパなんぞに関わりがないのである。だからナンパに関わりがない男がナンパに対して言及する際の発言内容はなんだかフワフワしたものか「ナンパされる方が悪い」「自慢かよ」「対策考えろよ」みたいな雑なものになってしまうのではないだろうか。つまるところ、無知と無関心と雑な把握が、あの粗暴な言動やコメントにつながっているのだとしたら、それはそれで問題だ。ナンパについて知らなかったら想像力を欠いた雑な言動をしていいかというとそうでもないので、そういう言動はきっちり怒られるべきだと思う。というか、なかなかにセンシティブな問題でもあるし、正確な知識がないなら最初から黙っていたほうがいいのでは……。

 

 ナンパに対する知識の男女間での非対称性はいかんともしがたい。でも、女性が女性であるという理由だけで街を歩くときに一定以上不快な思いをしなくてはならないし、それをネットで話題にしたらそれはそれでまたボコボコに叩かれるというのはやはり不条理だ。ナンパを巡る言説のいざこざが男性側の決定的な無知(ナンパに関係ない男性が世の中の大多数である以上、これもある程度はしょうがないとは思うんですよ……)によるものだとしたら、まずは「いや、実際現在のナンパってこんな感じなんすよ」というのがなんらかの方法(ここでどういう方法がベストなのかパッと出てこないあたり、自分で自分が情けない)で周知されることでちょっと変わってくることもあるのではないかと思う。ただ、現実的なナンパの実態を知ったら知ったでけっこう不快っぽいのがアレですが……。